「待って」
あたしは、隣りから聞こえた篠原の声で歩き出した足を止めた。
「優音行くぞ!」
次はハルが怒り始めた。
「…う、うん。」
あたしはしどろもどろに答えた。
早く行こう。
早く帰ろう。
あたしたちはまだクリスマスを過ごしていない。
プレゼントも買っていない。
チョコのケーキも食べていないの。
いつかGOD-1の誰かに何かを言われるかもしれない事も頭の中に入れていた。
学校に登校した冬休み前。
GOD-1があたしを探してるって耳に入った。
面子がいる事も薄々知っていた。
そして、今目の前にいる彼らに関わるかもしれないと。
桜咲と一言でも話せる事は、学校が同じでも難しい。
そんなあたしが一晩、いや二晩も一緒にいた以上あたしは桜咲と関わりすぎていたんだ。
もう関わらないと心に決めたあたしに、涼宮は苦しそうに嘆いた。

