あたしの涙が渇くまでハルはあたしから離れなかった。

「ハル、もういいょ。ありがと」

「ん。帰るか。」

ハルはそれ以上何も聞いてこなかった。

あたしにしても今はまだ話せる状態じゃない。

桜咲の事を考えるだけで、震え出そうとする体。

桜咲本人に会ったら、あたしはどうなるんだろう。

ハルが隣りにいるあたしを見て、どう思うのかな?


忘れようと決めたはずなのに、忘れようとしないあたしの脳は何をそんなに欲しがるの?


弱さを見せていいのは、ハルにだけ。

弱さをしってもらいたいのも、ハルにだけ。

弱さを見せたいのは、ハルだけ。

だけど…愛してほしかったのは、誰なんだろう?

あたしは、誰からの愛を求めた?

親?先生?純?ハル?桜咲?

複雑に絡み合う感情の糸をほどく事はまだ出来やしなかった…