あたしは水道で顔を洗った。
「ハァ…」
すっきりしない。
冷たい水で洗っても消えてくれない。
「―――っ」
泣かないでよあたし…
ハルが待ってんでしょ。
寒い中独りで…
独りで待ってんの。
あたしがいかなくて誰が行くのよ。
パンッ
あたしは両手で頬を叩いた。
「っし。あたししっかり!」
濡れた顔が鏡に映った。
ハル色の髪。
あたしはいつも思ってしまう。
桜咲の髪にも、同じ色のメッシュが入っていたなって…
悔しくて悔しくて。
あたしの中に桜咲がいる事が悔しい。
自分で決めたのに…
ハルの側にいるって。
守れていない自分が憎い。
純のために強くなろうとしたのに、何も変わらない自分が怖い。
このまま、孤独になればあたしは何も考えずにいれるのかな…‥―

