お前のためなら死んでやる2


あたしは水道で顔を洗った。

「ハァ…」

すっきりしない。

冷たい水で洗っても消えてくれない。

「―――っ」

泣かないでよあたし…

ハルが待ってんでしょ。

寒い中独りで…

独りで待ってんの。

あたしがいかなくて誰が行くのよ。

パンッ

あたしは両手で頬を叩いた。

「っし。あたししっかり!」

濡れた顔が鏡に映った。

ハル色の髪。

あたしはいつも思ってしまう。

桜咲の髪にも、同じ色のメッシュが入っていたなって…

悔しくて悔しくて。

あたしの中に桜咲がいる事が悔しい。

自分で決めたのに…

ハルの側にいるって。

守れていない自分が憎い。

純のために強くなろうとしたのに、何も変わらない自分が怖い。

このまま、孤独になればあたしは何も考えずにいれるのかな…‥―