「…ゅのん?」

「あっごめん。考え事してた。」

「もうそろそろ戻ろっか?歌早く聞きたいしさ。」

「そうだね。」


あたしとハルは会計を済ませ、ber.tomokiに戻った。




まさか、知樹さんが篠原のお兄さんだったなんて…

知りもしなかった。

桜咲がいなくなった事も、

知樹さんがあたしたちがいない間に連絡をとっていた事も、

あたしは知らなかった。

これは罠なのか、

それとも…

あなたたちはなぜ

あたしに構うの?


…………………………

あたしたちは、いつもよりいっそ寒い繁華街を肩をそろえながら歩いていた。