あたしとハルは、近くにあるファミレスで夕食をとった。
「優音、なんか楽しそう。なんかあった?」
パスタをフォークに巻き付けているとハルがあたしに問い掛けた。
「んーなんかね、さっき知樹さん…オーナーがね、常連さんがあたしの歌待ってるって言ってたでしょ?」
「おー」
「嬉しかったんだ。あたしの居場所が出来たみたいで。」
「……ん。」
あれ?変な話したかな?
「ハル?どうかした?」
「優音の居場所は俺の隣りじゃなくなるの?」
「フフッ。そんなわけないじゃん。あたしハルの隣りが一番好きよ?居場所も沢山あった方がいいかなーって。ただそれだけ。でも、ハルの隣りがあたしの一番の居場所。分かった?」
「優音…」
「ん?」
「めっちゃ好き。もう離したくても離せなくなりそう。」
離さないで。
あたしを閉じ込めて、離さないでほしい。
もっと束縛して。
きつくきつく抱き締めて、
あたしを隣りにおかせて。
でもこの願いは、
叶うかわからないから、
願うだけでもさせてほしい。

