零から出された命令。

“五十嵐 優音を探せ”

総長は全総力を使うまでにさせた、五十嵐 優音。

俺は彼女を見た事がある。

屋上で見た彼女は、零にたいしてビビるわけでも、媚びをうるわけでもない。

俺が屋上に行ったのは、零に鬼狼の事を報告するため。

俺がいけなかったのか?

俺の発した直後、五十嵐は怒鳴りつけるように去っていった。

“嫌い”

零はそんな言葉に屈するほどやわな男じゃないはず。

なのに、なんでそんなに苦しい顔をする?

彼女を可愛いと言った零。

やはり零は…

彼女を好きなんだろう。

零は女と絡まない。

そんな零を本気にさせる彼女は何かを抱えている。

零なら、彼女をどうする?