「ハル、おはよ。」

朝目覚めれば君がいる。

「ハル、ただいま。」

家に帰れば、君がいる。

「優音、おはよ。」

返事が返ってくる。

「優音、おかえり。」

笑顔で迎える君がいる。

これがきっと愛なのだろう。

昔の小さな男の子とはまったく違う君だけど、あたしは君を好きになったのだろう。

だって、こんなにも君が愛しくて、苦しいぐらいに、幸せだから。

心がまだ誰かを求めている事は、あたしはまだ知らない。

いや、ただ逃げていた。

桜咲がまだあたしの中に存在することが、幸せにハルといるとどうしても忘れられない。

ハルを愛しているのに、

桜咲も好きになりそうだったから。

初めてあった時から、あたしは君が好きだったのに…

あたしは、この気持ちから逃げている。

今あたしにはハルがいる。

あたしはハルが好き。

それでいい。

あたしは、ハルだけが好き。

…やっぱり少し心が痛い。