珍しい寿の真面目な表情。
紫織もその雰囲気を受け取ったのか、顔を上げて。
龍と付き合う?
それって、彼氏彼女みたいになるってこと?
でも確かに、真剣に告白されたら。
うちの気持ちも固まったら。
「まぁ、そうなったらいいかも、ね」
「一応や、ゆいって総長なわけやん?」
「う、うん?」
「んで龍は副総長」
「せやけど、」
「白虎とプライベート、分けること出来るんけ?」
部屋の中がシン、とする。
寿の言葉が重くのし掛かってきて。
きっと寿が言いたいのは、自分の立場を考えろって事。
族の世界で、しかも頭張ってる人間と二番目と付き合うなんて有り得ない。
「まだ気になってる、やったら大丈夫やけど」
「うん、」
「本気になったらお互い辛いで」
まだ私と龍は付き合ってない。
龍の本当の気持ちもわからないし、私の気持ちも曖昧やし。
もし、お互いが本当に好きなら?
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