恐る恐る振り向くと、そこには龍。
なんとも言えない表情は見てない事にして。
いつもは跳ねている髪はストレート。
黒のダウンに、ジーンズ。
そして私があげた、黒のネックレス。
通り過ぎる女の子は龍を見て頬を染める。
そりゃ、そうやんな。
「ど、どこ行くん?」
「んー、映画見ましょか」
「映画?」
「行きましょ行きましょっ」
歩き出す龍はとても楽しそうで。
私も急いで歩き出す。
隣を見れば、頭一つ分大きい龍。
また背伸びたんかな?
「そんなに見つめたら穴開きますよ?」
「見てないもん」
「へー?」
「……………」
なる程。
誰も居ないときは裏龍なのね。
なんか一つ勉強なったわ。
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