塞がれる唇は、少し冷たくて。
決して軽いキスではない。
「んっ…!!!」
「なんかもう…名前呼ばれるだけで充分っす」
唇は離れ、今度は私の肩に顔を埋める。
泣いているのが分かる、肩が震えているから。
一筋、涙が零れた。
それは間違いなく、私の涙。
頬に伝う涙は、やがて止まる。
また涙が溢れてきたけれど。
私、龍のことが好きだった。
いつまでもそれに気付かなくて、辛い思いをさせていた。
でも記憶がもし戻ったとしても、また笑える?
絆はまた修復される?
怖さから、
「…すんません寒いですよね?なんか買ってきます」
耐えられる?
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