携帯を閉じ、ポケットに入れる。
心臓が有り得ないくらい早い。
さっきまで俺と話していたのに。
俺の顔を見ていたのに。
引き止めなかったから。
追いかけなかったから。
「立てや二人共!!!」
「龍、くん…?」
「ゆいさんが事故って今病院やねん!!!」
「え?」
「置いてくぞ!!!走れ!!!」
野次馬の生徒を蹴り、無理矢理道を開けて。
走り出し、校舎を後する。
バイクに跨り、鍵を差し込もうとしてもなかなか入らなくて。
後ろを見れば蓮と紫織さんもやっと校舎から出てきた所だった。
「入れやボケ…!!!」
やっと鍵が入り、エンジンを掛ける。
そして全速力で学校を後にした。
ゆいさん。
ゆいさん…!!!
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