急いでいたのか、龍はジャージのまま。 頬に付いた血を見て、目を見開いて。 ザクザクと土を踏み、校門を目指す。 龍と擦れ違った時だった。 「ちょ…!!!待って下さい!!!」 腕を掴まれ、足を止められる。 それでも私の視線は校門で。 「なに?」 「いや、なにじゃなくて…!!!」 「てか龍」 「はい?」 「華風さんって呼ばへんのや?」 「っ、」 淡々と話す私を龍は驚いた顔で見る。 表情は、ない。 心は泣いている。 涙は、消えた。 「腕、離して」 冷たい声は、グラウンドには響かない。 .