時刻は朝八時。

いつも龍が迎えにきてくれる時間。



けど、周りを見ても龍はいない。







『電波の届かない所か、電源が切れているため掛かりません』


「…はぁー」







ため息を零しながら、携帯を閉める。

その代わり、心が痛くて。




拒否、られてる?

それともまだ寝てるだけ?

そうなんや?






自問自答した所で、返事は返ってこない。








「あ?ゆい龍は?」


「寝坊かな」


「ふーん、ほな俺が送ったろか?」


「お願いする」







後から出てきた寿も、ダルそうに制服姿。

中庭から持ってきたバイクに乗り、私もその後ろに跨った。







ちゃんと話そう、龍と。

最後まで話せば分かってくれるはず。





絶対に。








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