角を曲がり、龍は見えなくなる。

私は一人、置いていかれた。






聞いてって言ったのに。

最後まで聞いてって、言ったのに。









「うちが総長を卒業したら、付き合おうって、」









言おうとしたのに。




龍は聞いてくれなかった。

私が龍のことを一人にさせてるって勘違いだけして。




一人にさせてるわけないやん。

ずっと一緒にいたやん。









「なん、で」










三年間、一緒にいた私達。

けどたった数十分で終わってしまった。




違う、終わってない。

終わってないやんな?





英寿くんの事嫌いって。

英寿くんも龍の事嫌いって。






嘘やんな?









「龍、」









何かが崩れる音がした。





私はそれを認めなかった。









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