走ってきたのか、せっかくセットされている髪が崩れている龍。



黒の浴衣に、金髪の髪。

同じように黒い下駄を大きく鳴らして。



ってうわ、なんかキュンってした。






「龍浴衣持ってたんや」


「あー、これ蓮のっすよ」


「えぇ?!でも紫織と今日来るんちゃうの?」


「俺には関係のない話っすっ」






蓮残念。

なんか浴衣を奪われてるの想像出来るわ。



笑ってしまうと龍も笑って。

やっぱり旅行の龍は酔ってただけなんかな。







「ゆ、ゆいさんも浴衣似合いますよ」


「え?」


「なんでもないっす!!!ほら行きましょ!!!」


「う、うん」






激しく下駄を鳴らす龍はスタスタと歩いて。

私も背中を追い、歩き出す。




また背伸びたんかな?





なんて。








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