目の前に何本も差し出されたマイク、次々飛び交う質問にも焦ることなく答えていく。





先月の頭に2冊同時発売した章菜の写真集。





一冊は和風、もう一冊は洋風といったもので国内、国外のブランドがこぞって参加したとその時のニュースでも言っていた。





「ぱぱぁー、ままみえにゃーい。」




ヨタヨタと走って来た鈴は目に涙を浮かべ今にも泣きそうな顔をして足にしがみついて来た。





「まま、見えなかった?」


「ぅん…。」





抱き上げるとギュッと首に手を回してくる。





鈴を抱き上げたまま、テレビの近くまで行くと章菜の顔が見えたのか、たちまち笑顔に戻る。





立ったままじゃ邪魔になり、空いてる近くの椅子に腰を下ろした。




紗衣はテレビに釘付けで首が痛くなるんじゃないかというぐらい見上げていた。