「じゃーね!」


「ばいばーい」


皆学校から去っていく。


そうだよね、部活あるし、教室に残る必要ないもん。


そんな私には挨拶はされない。


存在を消されてるわけじゃないけれど、いおちゃんの近くにいるってだけで、嫉妬の渦に巻き込まれる。


これがきっと、私が「伊織?好きなわけないし」とか、本当にいおちゃんが好きじゃなかったら、もっと違ったって思う。


別に皆、「仲いいんだね―、幼馴染だしね―」で終わる。


そうじゃないのは、私がいおちゃんのことを好きだから…。


でも、いおちゃんは違う。


いおちゃんは私に他の女の子と変わらない笑顔をくれる。変わらない態度で接してくる。


それは残酷、なのかな。


でも…だから、わかるの。



あたしはいおちゃんにとって“特別”じゃない―――
そんな苦しくて悲しい現実が。