「雪城さん、今日バレーですよねッ、俺達男子も見に行きます!」
「あの、頑張ってください!おれもゴール入れるんで!」
今日は高等部で女子はバレー、男子はサッカーの球技大会が行われる。
それには高等部なら誰でも観戦することができる。
…ただし自分の持ち場とみたい試合の時間にもよる。
…って、データベースにあったっけ。
そっか、今日は球技大会か~。
「…祐志、ちょっと来て。」
「あ…ハ、はぁ~い、白菜先輩♪」
危ない、危ない!思わず「祐志」を忘れるとこだった。
「ちょっと、あなたたち、邪魔。どいて。」
「「「はぁーい、雪城さんっ」」」
男子の集団が白菜先輩の一言でスラァ―と道をあける。
やっぱり、すごいな、先輩は。
そんな僕らをじっと見ている人がいた。
当時の面影はないけど、あの人は知っている。
西条朋子先輩だ。
昔遊んでいて仲が良かったのに、あの日の事件以来先輩とは別々になった。
今では白菜先輩をいじめてる…。
「祐志…何見てるの。」
「あ…すいません~。でも先輩、僕に用ってこくっちゃうとかぁ~~?そしたら僕、嬉しいな~。」
「…。」
先輩は一度悲しそうな目で僕を見る。
すいません、先輩。今、僕は「祐志」なんです。ちゃんとした、僕じゃないんです。

