「お坊ちゃま、朝になりましたよ、ダイニングでお父様がお待ちです。」 メイドさんが昔僕が言ったように髪をなでながら起こす。 お母さんみたいだなぁ…。 「うーん…もうちょっと、寝かせてよぉ~…。」 「でも学園の方、遅刻してしまいますよ?」 「きょーはゆーじが行くからいーの。」 「お坊ちゃま、あまりわがままは言わないでください。」 「はいはーい。」 祐志は朝を迎える。 だけど今日は「祐志」が学園に行くのだ。 僕は早く起きなくたっていいじゃん…。 その日、何かが始まろうとしていた。