「白菜先輩……。」



いつもと同じきれいな髪の持ち主―――――白菜。



いつも、いや、ずっとこの人を僕は好きだ。



昔も、今も。



どこか見入られてしまうその容姿。



隠れている、ピュアな心。



僕はそれを知っている。



だからこそ、守りたい。



壊れやすいからこそ、守りたい。



「…祐志、時間、ある?」



見入られそうになるその目に見つめられて僕は微笑む。



その目は反則でしょう?センパイ。



「ハイ、ありますよ。」



断りたくても断れないですよ。…ま、断りませんけどね。



「そう…。話があるの。」



分かってますよ、センパイ。
あなたが何を言いたいのかも予測できますよ。



あの子のことでしょう?



ここでいえばいいのに――――



その言葉をかみしめて、



「移動、しますか?」










―――――――――僕は卑怯なやつ。



センパイと一緒にいたから移動をする。



あの子が来ないように。
誰も邪魔させないために。