花の咲く教室




「あのっ…あたし…!」



立ち上がろうとするあたしの手を祐志くんはニコリと威圧的に、あたしの手を握る。



「えっと…。」



「つぐたん、いいニックネームだよね!先輩には…多分、色々今後関わってもらうと思うから」



な…何を言ってるんですかっ!?止めてくださいッ!余計な事にかからわせるのはっ



「えっと…すみませんが…。」



「僕、祐志!宜しくねッ☆」



「…え?」



何言ってるんですか!?この人…。



アナタの名前なんてと~~っても有名なんですよ!?
分かってるんですか!?つか、自覚してますか!?



「じゃぁ…僕はおいとまするね!…あと、僕に会いたくなったらここへ来てねッ」



そう言ってトラブルを発生させてくれた男の子は帰って行った。



しかも、上機嫌で。



渡されたカードはキレイかつ高価な名刺に、



『初等部(家庭科部)  祐志
TEL   ×××―○○○○
MAIL  yuusi-…     』



かなりの個人情報があった。



なんとなく、携帯にそのMAILアドレスと電話番号を登録する。