父さんの力強い腕に、俺は人前なのに大声で泣き始めた。
「ずっと綾香ちゃんと一緒にいたんだもんな…。
辛いに決まってるよな…。」
(綾香……、俺を置いていくなよ……。)
その時の俺はただ、何も分からずにいた…。
辛いのは自分だけじゃないことに…。
綾香の死は、俺達の運命さえも変えていこうとしていた……。