『タケルちゃん…、大好き…。』
(綾香…。)
俺は強く握り拳を作った。
(綾香、きっと無事だよな…。
また俺の隣で笑っていてくれるだろ…。)
俺は瞳を閉じて、綾香の笑顔を思い浮かべた。

それからしばらくして治療室の扉が開いた。
(…!?)
俺達は息を飲んで、医者が出てくるのを待った。
「先生!!娘はどうなんですか!?」
マスクを外しながら、出てくる医者に窓香さんが訪ねる。
「手を尽くしたのですが…。」
医者の晴れない顔が、俺達の終わりを告げていた…。