「タケルちゃん!?」
いきなり走り出した俺に綾香は驚く。
「タケルちゃん、待って…!?」
綾香が後ろを追ってきているなんて、俺は気づきもしなかった。
(何やってんだ!?俺!?)
その時の俺は自分のことで精一杯だった。
まさか目の前の交差点を走り抜けることで、今まであった綾香との時間を無くすことになるとは思いもしなかったんだ…。