小山は悲しそうな顔で綾香の机を見た。
 綾香の机に置かれた一輪の花を見て、小山の頬に一粒の涙が流れた。
 「私はいつも東くんと一緒に笑ってた綾香の笑顔が大好きだった…。」
 「…綾香ちゃんの姿が見えないだけで、こんなに淋しくなるもんなんだな…。
 でも、綾香ちゃんは本当に死んだわけじゃないよ。」
 「え…?」
 小山は驚いた顔で安藤を見た。
 「綾香ちゃんは生きていられる。
 東が忘れないかぎりはね…。」
 安藤も淋しそうに窓の下を歩く俺を見ていた。
 「東は簡単に綾香ちゃんの存在を消すやつじゃないよ…。」