「じゃあ小山、安藤。また明日な。」
 「ええ、気をつけて帰ってね。」
 「またな、東。」
 放課後帰り支度を終わらせて、俺は安藤達に挨拶をして教室を出た。
 「あ…!待って~、王子様ぁ~。」
 教室を出た俺を見て、ニコちゃんこと二葉小百合は俺の後を追ってきた。
 「あの子…、いつまで東くんにつきまとうのかしら?」
 小山は少し不機嫌な顔で俺と二葉の出て行った方を見た。
 「気に食わない?」
 「当たり前よ…。東くんの隣にいて許されてたのは綾香だけなのに…。」
 小山は下を俯く。
 「あんな子がつきまとってたら綾香の居場所はどうなるの…?」