「だってーっ!王子様なんだもんっ!!」
「いや…、だから…。」
聞いてるのか聞いていないのか、テンションの上がった転校生は顔を隠したりして騒いでいた。
「東…、この子知ってるのか…?」
お手上げ状態になった安藤は俺に聞いてくる。
「いや…知らない…。」
「…っ!?知らないって…、王子様ひどい……。」
「!?」
転校生はいきなり泣き始めた。
「ご…、ごめん…。あの…、どこで会ったっけ…?」
しどろもどろになって聞く俺に、転校生は大きな瞳にたくさんの涙を浮かべる。
「昨日逢ったのに、ひどいぃーー…っ。」