「えーと…2年から転入することになった竹中遊です。よ、よろしくお願いしましゅ…す」


テンパった…


噛んだ。


冷や汗が吹き出るのがわかるよ。


『アハハハハハっ!!』


む?


笑ってくれていないか?


うまくいったみたいだ。


奇跡だ。


テンパったおれナイス!!


「席はあそこだからね」


…一番後ろ窓側。


完璧なまでのポジショニング。


いつでも可愛い美少女を眺められる。


神に感謝しちゃいたいくらいだよ。


「最後にね…竹中君はあの転入試験を得点率99%で突破した秀才だから、勉強つまったら聞くといいよ?」


と、付け加えてHRを終わらせ、教室を後にした。


本当は得点率100%が…理想だったのに。


しかしなんだか周囲の目はおれに向いている。


恋愛…そんなものじゃない。


尊敬に近かった。


「あのバカみたいなテストでそんな得点とれたの?」


美少女が話しかけてくる。


この時は嬉しさがオーバーヒートしていて美少女という印象しか残っていない。


「あ、うん。ここに来るために頑張ったよ」


「凄いなあ…あの転入試験の問題私達やらされたけど、最高得点率84%だったんだよ?」


84%…いや、むしろ普通に生活して84%の方が凄い。


そんなこんなでおれの皇塔学園生活は第一印象秀才から始まった。