空の彼方へ２

｢ねえグレイス、私さ、グレイスのためにマフラー編んだんだ｣


歩いている最中、アイリがグレイスに言う。


｢そうか…｣


アイリはグレイスの首にマフラーを巻く。


｢……｣


｢よかったなグレイス｣


リリアがグレイスに言う。

｢そう…か？｣


｢似合ってるよ！寒かったらいつでもこれ巻いてね！｣


アイリはグレイスに言う。

｢ああ…｣


グレイスは無表情のままそのまま歩き続けた。








リリア達がしばらく歩いていると目の前に新たな魔物が現れた。


｢うわっ｣


リリアは剣を引き、戦闘体制になるが魔物の力は強い。


魔物は鋭い爪でリリアを攻撃してくる。


｢……っ｣


｢リリア？！｣


テールがリリアの元へとかけつけるが、間に合わない。


魔物はリリアに向かって鋭い爪で切りつけようとしていた。


｢危ない！｣


―――――！！！



｢………あれ？｣


リリアは無傷だった。


ふと目の前を見て見ると自分の前に立ちはだかるひとりの男が…。


｢あの時の……っ｣


そこにいた男は崖から落ちたリリアを助けたあの黒いマントの男だった。