空の彼方へ2

「いや…なんとなくそう思ってな…いるか?」


「いるよ、お父様とお母様と、あとお兄さんがいたらしいんだけど…死んじゃったみたいだけどな」


「お兄さん?」


「ああ、生きてたら19歳くらいかなぁ…グレイスは?家族いるのか?」


「…俺はいない」


「え?」


「家族はいない、ずっとひとりだ」


「お前よくひとりでここまで生きてこれたな」


リリアはグレイスの隣に座る。


「まあ…いろいろあったからな」


「ふーん」


「………」


「グレイス?」


「そろそろ戻ろうか」


「え?あ…待てよ!」


リリアは歩き出すグレイスについて行った。