空の彼方へ2

それからというもの、次第にグレイスに表情が無くなった。涙も出なくなった。

「………」


グレイスはもう誰も信じられなくなっていた。


そんな状態で5年が経った。この5年間、何があったのか記憶にない。


グレイスは無表情のまま自分と同じ種族の村を歩いていた。


その時、自分の目の前にひとりの少女が崖から落ちて来る。


「…誰…だ?」


でもこの少女はハゥディによく似ていたのか、その少女を見た瞬間、グレイスの心が少し和らげた感じがした。


「ここは…?」


「ラナ族の村だ」


そこからまた視界が歪む。