先生さまはキスで繋ぐ

 びっくりした私に、先生は低い声で言う。


「藤堂、ちょっと外に出ろ」


「……」


 無言で見上げると、先生は目を細めた。


「話がある。梅坂高校3年、藤堂遥」


「……手短にお願いしますね、セーンセ」


 ふう、とため息をついて、私は先生に従った。


 店を出て、建物の陰に連れてこられる。


「先生、痛い。離して」


 力強く掴まれていた腕が痛くて、私は先生の手を振り払った。


「何の用ですか。私、勤務中なんだけど」


 サボったって言われたらどうしてくれるの。


 睨むように言うと、先生はため息をついた。