先生さまはキスで繋ぐ

「なんか桂木くん、一途な男って感じだから。ちっちゃくて可愛い、いかにも女の子な彼女がいそうだと思ったけど」


「予想が外れた?」


 私は頷いた。


「もしかして、実は二次元にしか興味がないとか?」


「藤堂さん、勘違いしてるだろ。俺はべつにメイドが良いわけじゃない」


 桂木くんは、ほんのわずか不愉快そうに眉をひそめた。


「へ、そうなんだ?」


 お気に入りの店員でもいたのだろうかと首をかたむける。


「……藤堂さんのことが気になってた」


「……は? はあ!?」


 驚いて桂木くんを凝視すると、彼はふっと目元を和ませた。


「笑顔がムリヤリだなと思って、気になってた」


「……は?」


「笑顔は下手だったけど、接客はうまく演技してた。女優にでもなるのか?」


「……」