先生さまはキスで繋ぐ

 淡々とした口調で連絡を終えた北口先生は、さっさと身をひるがえした。


 ……余裕な態度が、ムカつく。


 昨日のこと、バラしてやろうかしら。


そんなことを思いながら背中を睨みつけていると、ふいに、先生が一瞬肩越しに振り向いた。


「っ……」


 フ、と、笑うように目が細められた。


 私を、見つめて。


「……」


 悔しい。


 余裕なんだ。喋るなら喋れば?って、そんな顔をしている。


「ハルカ? どしたの」


 私の顔の前で円華が手のひらを振って、首を傾げる。


「べつに」


「あ、そ。……なんで北口が来たんだろ。あいつ、副担任じゃなくない? あ、でも3年部の教師か」


「知らない」