先生さまはキスで繋ぐ

「なんなのー。教えてよ」


「嫌だ。友達いないんだからなんて言う友達には教えたくない」


「またまたー。傷つかないでよハルカぁ」


 円華は眉を下げて困り顔で私に向かって手を合わせてくる。


「拝むな。あんたには絶対教えないー」


「私に教えないなら教える人いないでしょ」


「だからまたそうやってあんたは!」


 ムッ、と眉間にしわを寄せてみせると、円華はからからと笑った。


「ごめんごめん。……で? 何をすれば機嫌がよくなるわけ?」


「機嫌がよくなるわけって言われても……」


 北口のしたことは北口に償わせるべきだと思う。


「うーん……犯人に土下座させて謝らせることが第一かな」


 言うと、円華は信じられないものを見るような表情で私を見た。


「ハルカ……あんた、サラリと何えぐいこと言ってんの?」


「だって、そんくらいしなきゃ償えないことをしたんだから当然でしょ!」