先生さまはキスで繋ぐ

「目の前にそんな格好した年頃の女がいて、脚見せられて、何もしないヤツがいるならお目にかかりてえな」


 そう言って、悪びれもせず鼻でわらってみせる。


「……やっぱりこういう趣味なんじゃ……」


「お前らが安全だと思ってる教師もこんなことするんだから、このバイトはやめとけ。いいな、藤堂」


 ぽんっ、と私の頭に手をのせて、先生は何もなかったかのような表情で店に戻って行った。


「……なん、だってーのよ……!」


 わなわなと震える拳をかろうじて抑えつけて、私はしゃがみこんだ。


 おそらく――おそらく真っ赤であろう顔を隠すように、両手で覆う。


「ああもう……! 許さない絶対許さない、北口彼方!」




 ――私のファーストキスを、やすやすと奪ったサイテー教師!