先生さまはキスで繋ぐ

「ちょっ……先生!?」


 先生は顔を思い切り近付けて、低くわらう。


 あ……やばい、先生わりと整った顔してる。


 こんなに近づかなければわからないなんて、隠れ端正にもほどがある。


 先生の手は私の両肩を完全におさえこんでいて、私はその力の強さに少し恐怖した。


「なっ、なに、すんの……っ」


「口止めにご奉仕、してくれるんだろ?」


 低く、小さく、ささやかれた。かすれた声がやけに艶めかしい。


「なっ……じょ、冗談で言ってるに決まってるじゃない! 教職者がそんなことしていいわけ!?」


 声を荒げて言うと、先生は私の口をあっさりとふさいだ。


 ――その、唇で。


「ンン……っ!?」


 信じられない。


 ただの化学教師のくせに、こんなことまでするの!?