先生さまはキスで繋ぐ

「ばか! 俺の趣味じゃねえよ!」


「え、違うの?」


「一緒にいたアイツの趣味だ、当たり前だろ! 俺はここの紅茶が美味しいからわざわざ付き合ってやってるだけなんだよ」


 先生は勢いよくまくしたてると、額に手をあてて、またため息をついた。


「……なんだ。先生がそういう趣味なら、口止めできたのに」


「はあ?」


 私はスカートの裾を少しだけ持ち上げてみせた。


「く・ち・ど・め。黙っててくれるなら、ちょっぴりご奉仕してもいいですよ?」


 冗談のつもりで言って、私は自分でクスクスと笑ってしまった。


 笑顔をつくるのが苦手なくせに、こういうバカバカしいことでは笑ってしまう。


「……本気で言ってんの?」


「え?」


 先生の低いささやきが聞こえたと思ったら、次の瞬間、私の背中は壁に押し付けられていた。