――――……


太陽は沈みかけている。


目が覚めたのは夕方だった。

…午後の授業、全部サボっちゃったんだ。


なんとなく罪悪感を感じながら、ゆっくり身体を起こす。




「……綺麗…」



まだスヤスヤ寝息を立てている翼くんを見て、そう呟いていた。


赤くなってきた日光が、彼の端正な顔をよりカッコよく見せている。



…いいなぁ、本当に素敵な顔。

あたしもこのくらい美しいものが欲しかった。




「って…まだ繋いでる。」



寝る前に繋いでいた手は、何時間か経った今もそのままの状態だった。

……ふふふ。


翼くんの寝顔を見れるのは、あたしだけの特権。






片想いのままだったら、感じられなかったんだね。




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