な、なに……?



「…ぇ……?」




あまりに綺麗に微笑むから、息をするのも忘れてしまう。

頭に置かれた手のひらが温かい…



「……ありがと、な。」



今まで以上に柔らかく笑う翼くんに、完全に心を奪われる。

かっこいい…



「……あぁあ。授業始まったから帰れねぇな。」


「ごめんね、なんか…」


「別に。」



素っ気ない言葉も、今のあたしならちゃんと伝わるよ。

翼くんの温かな心が、汲み取れるようになったんだ。



「昼寝でもするか。」

「…へへ、うん。」



二人で静かに笑いあってから、ほかに誰もいない屋上に寝転んだ。



半ば無理やり、手を繋いで目を閉じた…




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