遠足にきてる小学生みたいにウキウキしてるあたしを見て

一瞬 眉をひそめた翼くん。



………え??

なんでそんな顔するの!?




「………おぃ。」



動物園の楽しい雰囲気には似つかわしくない、低くて面倒そうな声。

切れ長の瞳があたしを捕える。




「…迷子になったら面倒だ。」

「…え?」



無愛想に伸ばされた手は、あたしの右手を掴む。


ドキン と心臓が反応すると同時に、手汗をかいてないか気になって仕方ない。



「つ、翼くんっ!!?」

「はぐれたら厄介だ。
…ちょっと暑いが、我慢しろ。」




吐き捨てるように言って、あたしの腕を引きながらゲートをくぐった。




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