翼くんは気付いているのかいないのか。


ずーーっと花火に夢中。



たまには、花火じゃなくてあたしも見てよ………なんてね。


でも、いいんだ。

翼くんが無口なのも、無表情なのも慣れてるし


逆に言えば、そこが翼くんの魅力なんだもん。




両手に2つずつ花火を持った翼くんを見る。


たくさんの色の光に照らされた彼は……



綺麗



その表現が一番合っている。




こんなに綺麗な顔をした翼くんを、周りの女の子が放っておくワケがない。




「ねぇ、一人?」


「あたしたちと花火しない?」





.