君の声。






とりあえず、これじゃあ終わりにならない口げんかをムリヤリ終わりにして、




他の所を回る事にした。



「あ、雪がいる。」



「私深海魚じゃないよ!!」



「いやそっくりだ。」



「やめてよー!!」




失礼な奴だな!と唇を尖らせてずんずんと前を歩いていく雪




その姿を見て上がる口角を押さえつつ、




雪をなだめながら隣を歩いた。




あまりに心地良い、俺と君の距離




決して踏み越えられない距離がある。




その境界を一歩踏み出せば、欲しいものはすぐそこにあるのに。




手に入らないという事を、わかっているから。




踏み出せない。




全て話したとして、




君が俺を選んでくれるとは思わないから。




だから君に何も言わないまま、




君の傍から逃げ出す俺を、




決して許さないで。




この想いを君に告げる事をしないのは、




俺が生きる世界で課した、たった一つの罰




君を想う事は、




きっと、罪だと思うから。