いぢわる王子様

「すぐる、これって……」


「碧のために用意させた。大丈夫、刺は抜いてあるから」


そう言うすぐるにエスコートされて、おそるおそる部屋の中へ入っていく。


バラの柔らかな香りが、漂ってくる。


「す……ごい」


感激しすぎて、そんなありきたりな言葉しか出てこない。


いいたとえが、何一つ出てこない。


知らず知らずのうちに、嬉し涙がこぼれていた。


「碧?」


「だいじょう……ぶ」