今から2年前の秋。


真っ白な病室で、すぐると清子さんが隣り合って座っている。


その視線の先には、ベッドに寝転ぶ1人の少女。


少女の肌は白く不健康なほどに細い。


折れてしまいそうな体とは裏腹に、明るい笑い声が響き渡る。


「弥生」


すぐるが、ベッドの上の少女へ声をかける。


「なぁに?」


「暖かくなったら、また桜を見に行こうな」