いぢわる王子様

「碧ちゃんも、結局は嘘だったけど、大切な人を失う悲しさを経験したよね」


私は、すぐるの事を思い出す。


真っ白なベッドの上で、静かに目を閉じていたすぐる。


あの瞳が、本当にもう二度と開かなかったとしたら……。


私は、強く頭を振ってその考えをかき消した。


そんなこと、考えたくない。


考えられない。


「……悲しいとか辛いとか、そんな思い、通り越しちゃいます。全部奪われてしまったような……そんな、絶望感……」