「碧、契約違反2度目だ」


私を押さえつけている手の力を抜くと、すぐるはそう言った。


もう、震えてはいない。


「『俺がいないときになにがあっても、絶対に負けるな』。あの男になびいた時点で、この契約に違反したとみなす」


「すぐる、待ってよ! さっき、それは私が悪いんじゃないって!!」


「じゃあ、碧は俺が他の女とデートしたりキスしたりしても、平気なワケだ?」


ニヤニヤと笑うすぐるに、私は口を閉じた。


平気なワケ、ないじゃん……。


すると、すぐるは私の首筋にキスをした。


しるしをつけるために、長く、吸い付く。