いぢわる王子様

「一番大切だった人を、失ってるんだ」


誠先輩のその言葉に、私は立ち止まる。


え?


「北河が昔好きだった人、死んだんだよ」


私の数歩前で立ち止まり、そう言った。


「きっと北河は今でもその人のことが好きなんだ。だから……」


「……だから?」


風が吹いて、道に落ちた木の葉が舞い上がる。


誠先輩が、振り向いた。


今までのやわらかい表情から、少し険しい表情に変わっている。