いぢわる王子様

「碧ちゃん、家どっち?」


「……むこう、ですけど」


私は、自分の家の方向を指差した。


大きなスーパーが立ち並ぶ通りかた、細い道へ入った場所にある。


「ちょうど、俺の家もそっち方面なんだ」


そう言うと、誠先輩は私の右手を握り締めてきた。


その動作があまりにも自然すぎて、思わず握り返してしまう。


「あ、ごめんね?」


慌てて手を離した私に、誠先輩が申し訳なさそうに言う。


なんか、こういうの慣れてる感じ?


見た目、全然そんなんじゃないのに。