いぢわる王子様

☆☆☆

「碧ちゃん、大丈夫?」


その言葉に一瞬ビクッと身を縮め、それから振り返る。


「アハ。そんなに驚かなくてもいいじゃん」


そう言って、誠先輩が笑った。


秋なのに、春の花みたいにポッと温かくなるような、笑顔だった。


「目、真っ赤。こすったらダメだよ?」


誠先輩はそう言って、目薬を差し出してきた。


私はそれを無言のまま受け取り、先輩を見上げる。


本当に、背、高い。


すっと顔を見てると、首が痛くなりそうだった。